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使える差が出る録音・MIXテクニックBLOG

現役本職のミキサー「えむらじお」が真面目に教える録音・MIXテクニックです。

 

モニター環境を考える。 

今日は基本のキに立ち返って、今更言うまでもないほどに重要なモニター環境についてお話をしたいと思います。

音の世界ではモニタリングというのは、スピーカーやヘッドホンなどで、マイクからの信号や記録された音源の信号を音として確認する行為です。つまり今扱っている音が耳に届く前、最後に通る機材です。モニタースピーカーやヘッドホンが電気信号を空気の振動として「音」に変換するので、その聴こえ方、つまりモニター機材の性能が、録音やミックスの作業に大きな影響となって現れます。

モニター機材が正確な音を出していないと、作業する人は正確な音を聞くことができないので、作業結果の音もおかしくなってしまいます。

例えば低音過多なモニターで作業した場合、作業者は低音が出過ぎていると判断して低域をカットしてしまうので、出来上がる完成音源は低音がスカスカになります。
逆に低音が出ないモニターで作業すると、作業者は低音が出ていないと判断して低域をブーストしてしまうので、ブーミーな完成音源になります。

もうお分かりいただけたと思いますが、録音やミックスに必要なモニタースピーカーやモニターヘッドホンというのは、ありのままの音をありのまま正確に出力する、測定器のような正確さが必要になるのです。

とくに録音やミックスする人は音響特性の良いスピーカーを使う必要があります。ヘッドホンで作業するという人がいますがヘッドホンでは正確な音は再現できません。ステレオの音は右と左のスピーカーから空気中に放たれて耳に届くまでに空気中で混ざり合い、お互いが干渉しながら耳に届いて初めあるべき音になるのです。ヘッドホンでは右と左の音は混ざり合わないまま独立した状態でそれぞれの耳に届いてしまいます。これでまともなミックスができるわけがないので、あくまでヘッドホンというのは音の細部確認や視聴者環境での参考用としてとらえておくべきです。

ではモニタースピーカーを選ぶ際、どういった点に注意して選ぶべきでしょうか? それをお話したいと思います。

■モニタースピーカはオーディオ鑑賞用ではない
■音の解像度と存在感のバランス
■スピーカーの性能は大きさにある程度比例する
■モニタースピーカーにもいろんな種類分類がある
■オススメのモニタースピーカーは結局どれなのか
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予算2~3万円でのオーディオインターフェイス選び! 

さて、録音に少し慣れてきて、ミックスにも意識を傾けられるようになってくると、だんだん機材も気になってくると思います。

マイクについては先日すでに記事として書き上げているので、マイクがケーブルを介して直接繋がる可能性の高いオーディオインターフェイスについてお話したいと思います。
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よく「オススメのオーディオインターフェイス教えてください。」と聞かれるのでインターフェイスの選びどころをお教えしたいと思いますが、・・・ズバリ正直なところ、歌ってみたなどの趣味の予算範囲で買えるオーディオインターフェイス(以下IF)というのは1~2万円ぐらいのものが多いかと思いますが、各メーカー、やはりその価格で使えるパーツには限りがあって、大きな差がない品質のものなんです。

よくよく考えれば当然のことですが価格が安いと原価も抑えざるを得ないので、電源部は真っ先にコストダウンされます。2,3万円までの低価格帯のIFの場合、USB接続一本で電源もまかなうバスパワー給電のものが多いですが、パソコンのUSBから取れる電源の質ががそもそも残念なので、IFの電源部が貧弱だと回路のノイズ対策が不十分なためにパソコンからのノイズが乗ったり、大きな音の時に電力不足になって音が歪やすくなったり、とにかく真っ先に音に影響します。

また、価格はオペアンプやAD/DAコンバーターといった、音が直接流れる重要な部品の品質にも影響します。これらの部品は、実は想像もつかないくらい高度で繊細な処理をする部分で、音の電気信号を瞬間的に何千倍にも増幅したり・・・・



以下、記事本文ではRoland、TASCAM、BEHERINGER、PRESONUS、Focusrite、YAMAHA(Steinberg)、AVID、M-AUDIO、Mackie、APOGEEなどの予算3万円前後までのIFについての詳しいフィーリングと、その他注目すべき機能などについて解説しています。
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【無料記事】機材の知識 第1回:マイク選びの重要性について 

皆さんは録音やmixの際どういった機材をお使いでしょうか。

最近はDAW(*1)の普及で、誰でも手軽に音を録音し、加工し、音楽制作を楽しむことができるようになりました。

(*1 Digital Audio Workstation の略。ニコ動ユーザーに有名な無料のAudacity、シェアウェアのReaperから、プロも使うCubaseやProtoolsなどPCで録音、編集、ミックスを行うことのできるソフトウエアの総称。)

昔は大きな立派なスタジオに行って、バカでかい大きなミキサーコンソールや、たくさんの高級アナログ機材を複雑に繋ぎ合せて使わないとできなかったミックスが、おうちのパソコンでも安価に手軽に遜色ないレベルで実現できるようになったんですから良い時代です。

▼SSL4000というこんなでっかいミキサーでMIXするのが十数年の当たり前でした。
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とは言え、きちんと録音したりmixを行うためには、機材を正しく理解し、自分の方向性に適した機材を、正しく使いこなすことが必要です。今回は録音やMIXに必須の機材の基本の「キ」を覚えておきましょう。



【機材の知識 第1回:マイク選びの重要性について】



マイクは、一番最初の音の入口になる道具。
人間で言えば耳、鼓膜に相当する超重要な道具です。

一口にマイクといっても、メーカーや機種によって音の傾向は様々。音が沈むような印象のマイクもあれば、ふんわりと毛布に包まれたようなあたたかい音のするマイク、弾けるように綺羅びやかな音のマイク・・・、と様々なキャラクターのマイクが有り、また値段も数千円から百万円を超えるような一財産になるようなマイクまでピンキリです。


面白いのは値段が高いからといって必ずしも良い音とは限らないこと。


ヘタに2万円そこそこのマイクよりも数千円のマイクで録音したほうがいい結果が得られたりすることもあるんです。
僕自身信じられないのですが、実際僕がMIXした女の子の中には、数千円のしょぼいパソコン用マイクの音質がバッチリはまっていて、完成した2MIX(完パケとも言います。完成品音源のこと。)は数十万円するマイクで録った音と言われても信じそうなものも有りました。

これはマイクに限ったことではありませんが、大事なのは自分の欲しいと思う音のキャラクターと機材のキャラクターが一致しているかどうかです。

プロの世界では、音の入口になるマイク選びで失敗すると、どんなに素晴らしい歌声や演奏も「失敗録音」になるといえるくらい重要な道具で、エンジニアは知識と経験とセンスで最適なマイクを選び録音に挑んでいます。



ちなみに知っている人も多いと思いますが、大きく分けてマイクには2種類があります。
「ダイナミック型マイク」 と 「コンデンサ型マイク」 という2つに分けられています。

どちらのマイクも「ダイアフラム(振動膜)が空気の振動を電気に変換しますが、ダイナミック型はダイアフラムが空気振動でぷるぷる動くのを、ダイアフラムにくっつけたコイルと磁石で「発電」させて電気に変換します。単純にダイアフラムが動かされた振れ幅が発電量に直結するので、ダイアフラムを動かす力が弱い極低音や、音の空気感を担うような高い音はあまり上手に拾えません。どうしても中域メインの音になりがちな構造的宿命です。

コンデンサ型はちょっと複雑で、ダイアフラム2枚を数ミクロンのごく狭い幅で向かい合わせて、ダイアフラムに電気を掛けて帯電させておきます。下敷きで髪の毛こすって静電気パチパチさせたのを2枚を向かい合わせる感じです。 そんな状態のダイアフラム2枚の距離が空気振動で少しでも変わると、帯電させた電気の量が変化するので、その電気の変化量を音の信号として直接とり出すので繊細な音を捉えられます。・・・が構造も回路も複雑になりお値段も少し高くなります。


マイクの構造とか原理とか難しい事はさておき、一般的には、吐息のような繊細な音のニュアンス感、音の解像度、鮮明感、感度などはコンデンサー型が圧倒的に有利です。 

しかしコンデンサ型はその一方でマイクを慎重に丁寧に扱わないと、ケーブル抜き差し時の電気的なショックで故障したり、振動や落下、湿気や濡れにも注意しないと、あっさりと故障したり、性能劣化してしまいます。

ダイナミック型は、音質のクリアさという面ではコンデンサ型には到底かなわないのですが、丈夫で、大音量や湿気にも耐えられ、迫力のある音を太くたくましく録音したいときには、コンデンサ型では難しいファットなサウンドを実現してくれます。また値段も比較的安価なものが多いのも特徴です。


ちなみにニコニコ動画などで歌い手さんたちに不動の人気を誇る2つのマイクがあります。

ダイナミック型マイクのワールドスタンダード「SHURE SM58」 と、コンデンサー型マイク市場に価格破壊を起こさせた「RODE NTなんちゃら」(1とか2とか)です。


▼左:SM58 右:NT1 ニコ動歌い手に絶大なる支持を得る2機種。
58.jpg NT1.jpg

SM58は、本当に世界的な大ヒットマイクで、1966年から半世紀近く経った今も「58の音」と言われ親しまれるほどに支持されている信頼の音質。どっしりと安定した明瞭でコシのあるサウンドが特徴です。

NTなんちゃらは、従来高価でなかなか値段の下がらなかったコンデンサー型マイク市場に衝撃的価格破壊を起こさせた黒船です。腐ってもコンデンサー型マイクなので極低い音から超高い音まで拾ってくれますし、SM58の2本分のお値段そこそこで買えるコンデンサーマイクなど無かった10年くらい前では「個人でコンデンサー型を持つなど物凄い夢が叶った!!」・・・と一躍もてはやされましたが、音は良くも悪くもエッジの立ったワイルドで荒っぽい音でほんとに粗野な音になります。個人的には全く歌声収録には向いてないマイクだと思います。


そして今回一番のぶっちゃけ話ですが、ダイナミックでもコンデンサーでも、全くの無加工でただ録音しただけの声はどのマイクでもそんなに大差がないと思ってください。ただマイクで拾っただけの無加工のサウンドなんて、どのマイク使っても皆平等に価値の無い凡庸な音です。ほんとに。しかもほとんどのマイクはどの機種の音なのか判別すらできないほどどれも大差のないつまらん音がします。(もちろん長年やってるとわかってきますよ)



ところが。



これをMIXし始めるとあら不思議。

あるマイクではどうMIXしても艶のある音にはならなかったのに、あるマイクでは艶っぽいを通り越してエロさがにじみ出てきて思わずニヤけてしまう(*´Д`)ハァハァ そんな現象にぶち当たるのです。


これはいわゆるバタフライエフェクトみたいなものだと思います。
最初の差は極小さいものであっても、MIXという作業を経るうちに極小さなその最初の差が大きな差となって現れてくるわけです。考えてみれば至極当然のことですが、真剣にマイクを使い分けて音を作るという経験をしたことがない人にこの差を理解しろという方が無茶なくらいに奥が深いのがマイク選びです。


次回は、歌い手に最適なお手頃マイクをご紹介いたします。

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